ノートの住人(3)終

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その後、彼女はまた「L」を振り上げる。
そういえば、ピンはどこなんだろう。
ホールに入れなければ、終わらないのに…
彼女が「L」を振り上げる。
カーン
「。」は、飛んでいって飛んでいって、ころころ、コトン。
ホールイン!
彼女の打った「。」は、私が机の上に飾っていたブローチの、てんとう虫の黒い斑点の中に吸い込まれていった。
思わず、ブローチを手に取り振ってみる。
こころなしか、カランコロンと聞こえてくる。
彼女はどうなったかと思い、視線を投げかけてみると、満足したのか元のページに収まっていた。
しかし、よほど楽しかったのだろう。
彼女は、「L」のゴルフクラブを、しっかりと握りしめたままだった。
ファンタジー
公開:20/10/10 21:13
更新:20/10/10 21:14

かさ( 愛媛 )

来年以降のいきかたが決まりましたヽ(=´▽`=)ノ

コメント読んだりお返事したりするのはとても好きなので、気楽にコメントいただけると嬉しいです。

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