彼女は何を思ふ
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私は花子、学校の怪談に登場する怪異よ。普段は学校の女子トイレの3番目にいるの。ただ…
「おかしいわね、最近生徒が全然来ない」
いつもは鐘の音と共に騒がしくなるトイレも、今じゃ嘘のような静けさだ。チャイムすら鳴らない。
この学校が開校してから数十年いるけれど、長期休み以外でこんな事態は初めてだった。
一体、どうしたのかしら。
やっと聞こえてきた教師たちの話によると、世の中は得体の知れぬ物で大変なことになっていると。
「よくわからないけど、人間はいつの時代も大変なのね。まぁ、私も最近の夏は暑すぎて図書館に避難することが増えたけどね…」
どっちも同じね。呟きは、トイレへ流されていった。
夏の暑さが近づいてきた頃、子どもたちの声が戻ってきた。
「わぁ、久しぶり!」
「元気だった?」
あ、触れらなかったねと切なく響く。
けど…
「やっぱ子どもの声が聞こえるのが1番ね」
彼女はふっと微笑んだ。
「おかしいわね、最近生徒が全然来ない」
いつもは鐘の音と共に騒がしくなるトイレも、今じゃ嘘のような静けさだ。チャイムすら鳴らない。
この学校が開校してから数十年いるけれど、長期休み以外でこんな事態は初めてだった。
一体、どうしたのかしら。
やっと聞こえてきた教師たちの話によると、世の中は得体の知れぬ物で大変なことになっていると。
「よくわからないけど、人間はいつの時代も大変なのね。まぁ、私も最近の夏は暑すぎて図書館に避難することが増えたけどね…」
どっちも同じね。呟きは、トイレへ流されていった。
夏の暑さが近づいてきた頃、子どもたちの声が戻ってきた。
「わぁ、久しぶり!」
「元気だった?」
あ、触れらなかったねと切なく響く。
けど…
「やっぱ子どもの声が聞こえるのが1番ね」
彼女はふっと微笑んだ。
その他
公開:20/10/09 22:46
学校
怪異
リコリスベリーに名前を変更しました。
SSの世界に魅せられて、ゆるく作品を書いています。
おとぎ話の別の人物目線、人ならざるものたちから見た世界、もしもの物語を中心に書いています。
初心者なので、いたらない点もあると思いますが、よろしくお願いします!
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