神在月に、神は歌う

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「昨今の婚姻率低下を受け、我々縁結びの神も何らかの対策を取る必要があると思われます。ご意見のある方は…」

ある一柱の神が手を挙げた。
「やはりもっと盛り上げるべきでしょう。運命の二人が出会った瞬間、神々総出で歌い踊る。我々は縁ターテイナーとして…」

すると女神がすらりと立ち上がった。
「縁結びは神聖なものですわ。生粋のユカリストとして、わたくしはとてもそのような狂態は許せません」

睨み合う二柱を取りなすように、別の神が立ち上がる。
「我々がどう繋ごうと、その縁を活かすも殺すも人間次第。それがエニシズムの原点です。それを忘れてはいけない。我々にできるのは『縁助』のみなのですから」
その言葉に、神々は互いに深く頷いた。
やがて誰からともなく歌声と手拍子がわき上がる。

〽︎縁は異なもの味なもの まずは繋いでみやしゃんせ…

神々の歌声は尽きることなく縁々と、全国津々浦々に広がっていった。
ファンタジー
公開:20/10/09 17:45
更新:20/10/09 20:14
一柱=神様の数え方 縁ターテイナー ユカリスト エニシズム ギャグにするつもりが やっぱ無理やった笑 縁コンテスト #2

秋田柴子

2019年11月、SSGの庭師となりました
現在は主にnoteと公募でSS~長編を書いています
留守ばかりですみません

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・note×Panasonic「思い込みが変わったこと」コンテスト 企業賞
・SSマガジン『ベリショーズ』掲載
(Kindle無料配信中)

【近況】
 第31回やまなし文学賞 佳作→ 作品集として書籍化(Amazonにて販売中)
 小布施『本をつくるプロジェクト』優秀賞

【note】
 https://note.com/akishiba_note

【Twitter】
 https://twitter.com/CNecozo

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