名前を呼んだら

ああ、眩しいな。
今日も変わりのない朝が来たのかな、誰かが私を呼ぶ声がする。「ゆかり！ゆかり！」と。私は呼ばれると、下へ降りていく。妹のかおりやあかりはもうこの世にはいない。家族と会える、そんな日常が続いてほしかった。なぜだろう、涙が出るのは。しょっぱくて仕方がない涙。私の人生もここまで。本当は真っ白で温かいふわふわの布団でいつまでも寝ていたい。でも、その布団にいると、命のカウントダウンが始まる。暗くて闇が広がる場所に、今まで家族がどれだけ消えていったことか、思い出したくもない。けれど、家族は皆笑顔で最期を迎える。まるでこのときを待っていたかのように。私も命を燃やす時が来たみたいだ。私は残りの家族や友達に別れを告げる「また会おうね」と。新しい世界に希望を抱きながら。
舞落ちた

「お母さん！このふりかけ本当に美味しい！」
「『ゆかり』は昔から好きなふりかけなんだよ」