事故事故事故事故事故事故物件

信彦が鍵を開けると、湯気が居間に立ち昇っていた。4人が鍋を囲んでいる。味噌味のちゃんこ鍋に見えるが、匂いはしない。
「ノブ坊！遅かったな！」
武雄が小皿を片手に声を上げる。信彦はそれを無視して寝室に向かう。
窓側で、一博がギターを弾いていた。技術が乏しい上に、調律がまるで合っていないので、耳障りこの上ない。
「信ちゃんおつかれー」
愛子がベッドに腰掛けていた。布団の中ではトムが寝ていた。思い切り蹴飛ばす。起きない。
「まあまあノブくん、駆けつけ一杯」
静香がビールの幽霊を渡してきた。きんきんに冷えている。信彦はそれを受け取ると、一気に嚥下して、コップの幽霊を床に叩きつけた。


「お前ら、もっと幽霊らしくしろよ！」




・コーポ草場
住所…都心
立地…駅から5分
間取り…1DK
築年数…10年
家賃…35000円
敷金・礼金…無し





同居人…たくさん