おひろめ

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叔父の葬儀の喪主を担うことになった。叔父とは二人住まいだったが、まだ未成年だからと遠い親戚筋が手助けを申し出てくれた。
肝臓を患った叔父が他界したのは、私の成人をひと月後に控えた初秋だった。
何故、と思う。
今まで親戚を頼ったことはなく、ひっそり暮らしてきた。もう少し粘ってくれれば、私ひとりで葬儀を取り仕切ることができたのに、そうなるのを阻むようにさっさと死んでしまった。
私たちの砦へ現実がづかづかと踏み込んでくる。最期に叔父の企てに巻き込まれたような気がする。
最初から一度でも叔父らしく振舞ったことのないひとだった。自分が子どもだということに、たった今気がついたのだ。これからどう生きたらよいのかまるでわからない。

私は子どものうちに、父と兄と恋人を同時に亡くしたのだ。それに気づいたのは、叔父の遺した家に一人で住み続ける私に、呆れた知人が結婚を申し込んできたときだった。
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公開:20/10/08 01:48

晴れ時々雨

普段Twitterにて140字小説を中心に書いています。ジャンルはないです。

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