小説明書

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今、私は買ったばかりの家電の説明書を読みふけっている。
家電の説明書なんて殆ど読まない?知りたいところだけ読めばいい?使い方なんて人から聞けばいい?何と勿体ない…そう言う人達は今の説明書が小説仕立てになっている事を知らないと見た。
私が今読んでいる説明書は冒険ものだ。内容物のチェックは装備品のチェック。それを怠れば危機に陥ってしまう恐れがある。私も主人公になったつもりで内容物に問題がないかチェックしていく。
使い方とは旅路だ。用途という名のモンスターを理解力で倒していく。難しい操作方法を覚えた時は爽快だぞ。
サポートセンターで仲間との交流も忘れない。困った時は人の知恵を借りるに限る。
故障という名のまだ見ぬ敵も仲間達となら乗り越えていける。
説明書の最後に近づくと白紙のページが続いている。そこは家電と私の物語を書くスペースだ。
今の説明書はただの説明書に非ず。使用者と家電が綴る小説なんだ。
公開:20/10/08 19:05

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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