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その原生林を青年が東に向かうと、石塔があった。卵のような形なので卵塔と言う。苔むす卵塔はそこにあるだけで奇跡だが、文字は既に読めない。
ふっと人の気配がした。美しい尼僧が佇んでいた。
『ああ、本当にあるのですね』
「この卵塔のことですね」
『ええ』
「すると貴女の?」
『はい。私の四十年後の墓です』
「貴女の今は何年ですか?」
『元応二年です。今は何年ですか?』
「令和二年です。丁度貴女の七百年後です」
『まあそんなにも』さして驚いた風もなく尼僧は言った。
『貴方が私の子孫なのですね』
「そうです。烏丸俊です。貴女は?」
『朱縁尼と申します』
「なぜここへ?」
『夢のお告げです。未の刻に東を向いて般若心経を唱えるとここに来れると。そして私の子孫に会えると』
「貴方に会えて良かった」
『私もです。一瞬の時でしたね』ふっと朱縁尼は消えた。
彼も消える。彼も七百年後の夢のお告げに従ったのだから。
ふっと人の気配がした。美しい尼僧が佇んでいた。
『ああ、本当にあるのですね』
「この卵塔のことですね」
『ええ』
「すると貴女の?」
『はい。私の四十年後の墓です』
「貴女の今は何年ですか?」
『元応二年です。今は何年ですか?』
「令和二年です。丁度貴女の七百年後です」
『まあそんなにも』さして驚いた風もなく尼僧は言った。
『貴方が私の子孫なのですね』
「そうです。烏丸俊です。貴女は?」
『朱縁尼と申します』
「なぜここへ?」
『夢のお告げです。未の刻に東を向いて般若心経を唱えるとここに来れると。そして私の子孫に会えると』
「貴方に会えて良かった」
『私もです。一瞬の時でしたね』ふっと朱縁尼は消えた。
彼も消える。彼も七百年後の夢のお告げに従ったのだから。
ファンタジー
公開:20/10/07 04:00
更新:20/10/24 20:52
更新:20/10/24 20:52
他生の縁
縁
ゆかり
人生3度目の小説への挑戦です。最初は中高生の時でした。
R2.8.29 初めての利用から数日ですが、コメントされる喜びとコメントする楽しさが分ってきました。こじんまりとしたSNSみたいでいい雰囲気ですね。
フォロー返しは必ずします。コメント返しもします。
【入院】10.29(木)から心臓冠動脈バイパス術で入院します。術日は11.2(月です。
【手術】成功しました。皆様からの応援の賜物と厚く感謝申し上げます。心臓ICUから通信許可出ましたv
【退院】11.14(土)退院。応援有難うございます。ご心配おかけしました。
【他サイト】エブリスタhttps://estar.jp/users/581438913
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