2
6

真夜中。高層ビル群の裏通り。非常階段のライトは秘密の逢瀬を照らしだし、犬の仮面をずらしオフィスビルの一角でアブノーマルプレイに熱狂する男女を浮き彫りにする。
頭隠してイチモツ丸だしの人間共は、首の鎖をものともせず決められた範囲内を柔軟に行き来する。
さて。剥き出しの男のケツがスコープのど真ん中に現れる。あまり長いこと直視に耐えられないから早めに仕留めとくか。とはいえなんて正確なリズムだろう。真後ろから見たら一分の狂いもなく女に打ち込んでいる。これじゃスナイパーじゃなくても狙えそうだ、ねぇ奥さん。
角度を変え、オフィスレディと立ちバック中のダンナのペニスに照準を絞り、腰を引くタイミングに合わせ引金を弾く。
無言実行の妻とは恐ろしい。
離婚届に判を押す猶予も与えない。
当然懺悔も認めない。
その他
公開:20/10/07 00:24

晴れ時々雨

普段Twitterにて140字小説を中心に書いています。ジャンルはないです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容