食用紅葉

秋の落ち葉対策として、食用紅葉が開発された。
色によって味が違う。
黄色は、カレー味。
赤色は、ミートソース味。

特に、子供に大人気だ。
紅葉を何枚も持ち歩いてる大人を見かけることもあった。

落ち葉は無くなり、掃除する手間を省くことに成功した。

だが、違う問題が発生した。
あまりの美味しさに、紅葉を全て食べられてしまったのだ。

裸の木ばかりになり、秋を飛ばして冬になってしまった。
このままでは紅葉を楽しむことが出来ない。

翌年、去年の失敗から学習し、新たな食用紅葉が開発された。

「か、辛い！」
「こんなの食べられないよ！」

黄色は、黄色唐辛子。
赤色も、唐辛子。

誰も食べなくなり、紅葉を楽しむことが出来、再び秋が訪れるようになった。

だが、落ち葉は大量に落ちている。

「…ま、いっか」

落ち葉の絨毯の上で、色鮮やかに染め上がった美しい紅葉を堪能した。