猫を拾った話

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仕事からの帰り、”拾って下さい”と書かれた段ボール箱の中に猫がいるのを見つけた。
そう言うと中にいるのは子猫と思うだろう?まさかの老猫だった。
『旦那、もしよければ私を看取ってくれませんか?』
しかも喋った。
『猫は2~3歳児並みの知能があるんですよ。私くらいの歳になると喋れて当然です。子猫ではなく古猫ですから』
自虐的に笑う猫を俺は気に入った。話し相手には丁度いいだろう。
『おや、私を拾って下さるので?』
「ガールズバーに行くよりは安く上がりそうだからな」
『酒飲みの愚痴は私にとっていい肴ですよ』
気の利いたジョークも言えるようだ。
「お前、酒は飲めるか?」
『マタタビ酒を少々嗜みます』
「日本酒か…酒の趣味も合いそうだな。そっちも付き合ってもらえるか?」
『ええ勿論…ただ、つまみにスルメは出さんで下さいね』
話せば話すほど面白い奴だ。
女っ気はないがこいつとの暮らしは楽しくなりそうだ。
公開:20/10/05 19:41

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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