あにゃごとにゃんこ　〜箸休め〜

新種の穴子が発見された。顔は猫に似ていて、水から上げると「にゃ〜ご」と泣くので『あにゃご』と命名された。
味の方は穴子と同等以上、日本近海に生息し個体数も多いことがわかった。
穴子と同じ調理法ができるので便利に使える。たちまちあにゃごは人気の食べ物になった。
しかし、ここに敢然と異を唱える者達が現れた。猫族である。
「あにゃごは猫のにゃかまにゃのだ」「あにゃご食反対！」と気勢を上げた。
人族と猫族との間で会議が持たれた。
人族は『養殖あにゃごはＯＫでどうでしょう？』
猫族は「それでもおにゃじ猫族にゃ！」と平行線を辿った。
そこにいい匂いがしてきて出席者の前に皿が置かれた。蒲焼が乗っている。
「うにゃぎかにゃ？」
『食べて下さい』
「「「「うみゃい！」」」」
『これはあにゃごの蒲焼です』
「こんな美味しいものにゃら猫族も食うにゃ」
あっという間に平らげた猫族は全員あにゃご食に賛成に変わった。