思い付き電球

2
3

最近、良案を思いつかない…きっと思い付き電球が切れているんだ。
思い付き電球とは良案を閃いた人の頭上でピカッと光るあの電球である。
友人からは「LED電球に変えれば?」なんて言われるが私は白熱電球を愛用している。
白熱電球の温かみのある光は人の心も温かくするからだ。
LED電球は良案こそ頻繁に思いつくが熱量の少なさが雪国生まれの私に合わない。
頭上に手を伸ばすと白熱電球を取り換える。
さっそくピカッと光り、脳内に良案が閃いた。急ぎ思いついた事をメモする。
一通り書き終えたところで改めて確認だ。
…う~ん、若干弱いな…やはりワット数の低い電球ではこの程度か…
私は溜息を吐くと箱から小さな電球を取り出した。
今では珍しいプリントごっこのランプ。それを頭上に取り付けた。
目の眩むような光が満ちる。素晴らしい閃きが一瞬にして脳内を駆け巡った。
一度きり使い切りのランプ。あとは記憶力との戦いである。
公開:20/10/06 19:17

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容