夢見る私と踊る蛸
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いい大人になってから作曲家を夢見た私は一念発起し、仕事を辞めて音楽学校に入った。音楽理論に悪戦苦闘。上には上がいるのは当たり前で、長年習っていたピアノも、絶対音感もここでは意味をなさなかった。いや、単に私の力不足。落ち込んでくよくよしている時期、大学の頃お世話になった教授と久々に連絡を取り、会うことになった。教授は手土産に赤い蛸のキーホルダーを私にくれた。
「お守り代わりのオクトパス。合格のpass。これがあれば大丈夫。」
教授渾身のダジャレ。私は苦笑いしつつもとても励まされた。
その日の夜、私がキーボードで作曲していると、貰ったキーホルダーの蛸が8本の足をくねらせ踊ってた。 「合格!合格!」と甲高く叫びながら私の曲を称賛する。こりゃ気分がいい。
結局私は作曲家にはなれずに今はこうして賞を目指して小説を書いてる。パソコンのキーボードにチェンジして。蛸?今宵も踊ってるよ。夢見る私のために。
「お守り代わりのオクトパス。合格のpass。これがあれば大丈夫。」
教授渾身のダジャレ。私は苦笑いしつつもとても励まされた。
その日の夜、私がキーボードで作曲していると、貰ったキーホルダーの蛸が8本の足をくねらせ踊ってた。 「合格!合格!」と甲高く叫びながら私の曲を称賛する。こりゃ気分がいい。
結局私は作曲家にはなれずに今はこうして賞を目指して小説を書いてる。パソコンのキーボードにチェンジして。蛸?今宵も踊ってるよ。夢見る私のために。
その他
公開:20/10/06 03:51
ベルモニーコンテスト用
夜野 るこ と申します。
(よるの)
皆さんの心に残るようなお話を書くことが目標です。よろしくお願いします。
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