星占い

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「裕太を幼稚園に連れていくけど来る?」姉が私に聞いた。
「やめとく」
「少し外に出たほうがいいよ。こもってばかりじゃない」
「今日の星占い、車に注意ですって。だから……」
「まだそんなもの信じてるのね」
「この占いよく当たるのよ。外に出なければ車にはねられないわ」
「下らない。占いに頼らないで自分で生き方決めるべきよ」
「そうかも。いつも迷惑かけてごめんね」
「好きなだけいてもいいよ。でも仕事を辞めて1年よ。どうするか考えないと」姉はそう言い残して外出した。
姉の言う通りなのだろう。だが私は外に出るのが怖かった。とくにこんな占いの結果が出た日には。今日はずっと家にいることにしよう。
私は朝食をとりに1階に降りようとした。その時だった。何かを踏んで足が滑ったのは。私はバランスを失い、階段に放り出された。
落ちていく瞬間、何に滑ったかに思い当たった。
車のおもちゃ。この占いは本当によく当たる。
SF
公開:20/10/05 23:18

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