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彼と一緒に紅葉狩りにやってきた。
ゴンドラの中からは、赤や黄に染まった木々がよく見えた。
『実はさ、この山を赤く染めたのは僕なんだ』
また始まった。彼はよく、こうして変な嘘をつく。
「嘘はダメだよ」
『嘘じゃない』
「じゃあどうやって?」
『フツーに』
「魔法使いなの?」
『そ、そう、そんな感じ』
「ふーん」
そうこうしている間に、ゴンドラが頂上に着いた。
頂上は、360度見渡す限り色づいた木々に囲まれ、まるで秋の真ん中にいるようだった。
「わたし、この景色ひとりで見たかったな。嘘つく人は嫌いだもん」
もちろんこんなの本心じゃない。ただ、わたしも彼のことを茶化してみたかった。
『そっか。僕はこうして君と見れてよかったけど』
そう言って、彼はわたしの手をギュッと握った。
その瞬間、わたしの頬もほんのり赤らんだ。
「さっきの、やっぱり嘘」
この山を赤く染めたのは、ほんとうに彼なのかもしれない。
ゴンドラの中からは、赤や黄に染まった木々がよく見えた。
『実はさ、この山を赤く染めたのは僕なんだ』
また始まった。彼はよく、こうして変な嘘をつく。
「嘘はダメだよ」
『嘘じゃない』
「じゃあどうやって?」
『フツーに』
「魔法使いなの?」
『そ、そう、そんな感じ』
「ふーん」
そうこうしている間に、ゴンドラが頂上に着いた。
頂上は、360度見渡す限り色づいた木々に囲まれ、まるで秋の真ん中にいるようだった。
「わたし、この景色ひとりで見たかったな。嘘つく人は嫌いだもん」
もちろんこんなの本心じゃない。ただ、わたしも彼のことを茶化してみたかった。
『そっか。僕はこうして君と見れてよかったけど』
そう言って、彼はわたしの手をギュッと握った。
その瞬間、わたしの頬もほんのり赤らんだ。
「さっきの、やっぱり嘘」
この山を赤く染めたのは、ほんとうに彼なのかもしれない。
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公開:20/10/03 21:30
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X (twitter):望月滋斗 (@mochizuki_short)
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