ライター

作家を志して家で同然に上京してから数年。日雇いやバイトで食いつなぎつつ
寝る間を惜しんで執筆に勤しむ。
原稿を出版社に送ることも2桁を超えたが一向に芽が出ない。

悪いことは重なるもので、普段親しい同僚が俺のことを陰で「昼行灯」、「使い捨てライター」などと
あざ笑っているのを偶然聞いてしまった。

さすがに落ち込んだ俺だったがこの際「昼行灯」でもいいと開き直ることにした。
今は無用の長物かもしれないが、時がくれば役に立てる時が来る。
その時まで頑張ろうと。

そしてさらに失敗を重ねること3年。とある出版社から本を出してもらえることになり、
その本がベストセラーになった。
私の本は多くの人を悩みから救い、希望をもたらすことに成功した。
文字通り、わたしはライター（光をもたらすもの）になったのだ。