カクテルリード

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「あちらのお客様からです」
バーで一人飲みしていると身なりの良い男からカクテルを送られた。
「ご一緒しませんか?」
私の返事も聞かずに隣に座る。失礼な男ね。
「宜しければお名前を?」
まずは自分から名乗るのが筋じゃない?
「僕はA。CEOをやっています」
若手実業家って奴ね。
「年商は〇千万円。事業は好調です」
ベラベラとよく動く口ね。
「どうでしょう?そんな私と一夜を過ごしませんか?」
女性を虜にする微笑みを私に向けてくる。
でも残念ね。私、簡単に手札を開示する男は嫌いなの。恋の駆け引きも知らないボウヤはお家に帰って恋愛ドラマから始めなさい。
私の態度に気を悪くしたAは別の女に声をかける。何とかペアになれたようだ。

数日後、私は新聞を読み、ほくそ笑む。
Aが女性問題を起こしていた。己に酔った飲酒事故だ。テルリードに失敗したわね。
新聞を畳む。目の前には幸せなフルハウスが開示されている。
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公開:20/10/03 19:26
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