ジャズはお静かに（８）警部の見込み違い　～オフィスφシリーズ～

「演奏はセカンドステージで終わりだし、ゲストだから最後までいなきゃならん訳じゃない。先回りしてオフィスφの外でファイを待つ予定だった。ところが予定が微妙に狂った。俺の電話でな」

「なぜ奴らの動きを掴めた？」
「河原町純が拳銃を手に入れたととある暴力団組員がゲロッたのさ。でマークを始めた。それがつい昨日のことだ」
「じゃぁ、警官が一人、俺たちと一緒にオフィスφに行けば良かったじゃないか」
「ケリーを確実に押える作戦だったんだよ。売られた拳銃は２丁だったからな。１丁はケリーが持ってるのは確実だ。
ジャズクラブでドンパチやらせるわけにはいかないだろ。ファイの腕なら女の一人ぐらい何とかするだろうと思ったんだ」

「冗談だろ。あやめは海外で千発ぐらい撃ってるよ。手慣れたもんだ」
「・・・そうだったのか」

「秘書の芽衣がいなかったらお陀仏だったぞ。
俺が訓練してるから対応は見事なものだったがな」