栗取り物語

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全国一の美味しい栗を見付ける事になり、栗探しの代表を誰にするか、熊・猿・兎も候補に挙がったが、慎重審議を経て鼠とリスに決定された。
西日本での栗を捜索するのが鼠グループ、東日本がリスグループとなった。両チームとも手分けして、各地区を尋ね吟味の結果、一番を決定した。
西日本では丹波栗となり、東日本は小布施栗となった。
丹波栗は日本最古の地域ブランド作物名でもあり、明治、大正期には丹波地方から欧米にまで栗苗が輸出された。
一方小布施栗は、徳川幕府の厳しい管理下に置かれ、収穫された栗は究極のブランドとして将軍家に献上、“紀州蜜柑”、“甲州葡萄”と並ぶ「徳川三大果」である。
勝負直前、突然中国から天津甘栗が大量に入ってきた。これは天下の一大事。

先ず輸入品に立ち向かうのが先決となった。
丹波栗と小布施栗は手を結び、更に各地の栗産地からの応援も得て、今は一丸となり国際競争に臨んでいる。
ファンタジー
公開:20/09/30 14:38

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