ランナーズ・デイ

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桜田門を経由して皇居の周りをぐるぐる巡る皇居マラソン。
四周するとだいたい20㎞で、ハーフマラソンにも丁度いい。

コロナ禍の最中、参加者の数は多くない。完全アマチュアで参加するのは僕くらいのものだろう。

開始の合図で、十人足らずのランナーたちがアスファルトを踏み切る。
走り始めてすぐ、他の走者たちとの距離がずんずん広がっていく。

10㎞目前、僕は既に疲労困憊、足はガクガクと震えていた。
コンディションのせいではない。全力だ。

白髪の、いまにも転げてしまいそうなおじいさんがものすごいスピードで僕を追い抜いていく。
サポーターと並んで走る盲目のランナーが、恐れを知らぬ速度で突き進んでいく。

こんな近くに異世界があるのだ。
いや、まるでそう感じるほど、この世界は可能性に満ちているのだ。
乾いた唇をなめ、マスクの裏でほくそ笑む。

負けてられるか。
僕はもう一度強く、地面を踏み切った。
青春
公開:20/10/03 07:00

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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