タイムダイバー：明日のない今日（８）時空の種

正規のタイムチューブと合流後、間も無く『明日』の欠落したスリットが時空次元レーダーの探知範囲に入った。

サラミスライスのはめ込み作業が始まった。期限はあと７時間。外すときとは異なり、はめる作業は一気にはいかない。
『明日』の両面にできるわずかな隙間を利用して、気の遠くなるような微細な作業を行なうのだ。

はめ込み作業の終了の合図が届いた。あとはアマテラスが時空間の完全接続作業を行えば終わりである。
それには『時空の種』を使う。『時空の種』を適切な位置にはめ込めば両切断面は自然に接続されていくのだ。
俺たちは『時空の種』をシードと呼んでいる。中身は極秘だ。このために俺たちは呼ばれたようなものだ。
実際はそれだけではないのだがシードがなければ価値は大きく下がる。

作業は５次元空間側から行う。艦隊にはタイムチューブ内の『今日』の側に入ってもらった。彼らが５次元空間で行う作業は終わったのだ。