生首には気を付けろ

小学校の通学路でちょっとした事件になった。酔っ払った近所のおじさんが、ゴミ捨て場に生首が捨てられていたと交番に駆け込んだ。慌ててその場所に行ってみたら美容師がカットの練習で使うマネキンだった。おじさんは、お巡りさんに飲み過ぎを注意されてとぼとぼと家に帰って行った。それだけなら、ただのおっちょこちょいなおじさんで済んだのだけど、またこのおじさん、生首を発見しちゃったんだ。今度は、アパートの階段の下に生首が置いてあると、今度は匿名で交番に通報したらしい。お巡りさんも、またかと思い見に行ったらゴミ捨て場で発見した物と瓜二つのマネキンの首だった。二度続くと、三度目もあるかもしれないと、おじさんは外に出るのが怖くなったみたい。人間が捨てたくないものがあるように、物も捨てられたくない想いもあると思うんだよね。だから、歩けるように首に足がはえたんだ。今度こそアパートの階段を上って私を捨てた彼の元へ行く。