サーカス

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 すり鉢状の劇場。観客が席を埋めてゆく。
「すごい人気だなぁ。やっぱり」
「だっておもしろいものね。すごくスリリングでドキドキしちゃう」
「そうだよね。あんな技を人間がやるなんて」
 ここにいる観客は皆、ロボットだ。世界は人工知能を搭載したコンピューターが管理する。その僕(しもべ)がこのロボットたちだ。
「さー、いよいよ始まるよ!」
 彼らロボットが見るのは『人間のサーカス』だ。人間がその生身の体で危険な技に挑戦する。ロボットならば簡単に出来ることばかりだ。それを人間という動物が練習をし鍛えて披露する。もし失敗すれば、ロボットのように修理はきかない。そこが人気なのだ。
 次々出し物が行われていく。
 サーカス団の団長がステージの中央で口上を述べる。
「さあロボットの皆様。次にお見せするのは、人間が命がけでお見せする空中ブランコの大技でございます!」
 観客の期待が地鳴りのように湧き上がる。
SF
公開:20/09/30 16:27

N(えぬ)( 横浜市 )

読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。

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