シャボンレター

今朝もシャボンレターが届いていた。
部屋にぷかぷかと浮かんだシャボン玉を指でつつき、メッセージを確認する。
『おはよ。公園デート楽しみ！　ミナミ』
そうだった。今日はミナミと公園でデートだ。
ぼくも『久々に会えるね。楽しみ。　コウタ』と込めたシャボン玉をストローで外に向かって吹いた。

公園に着き、ぼくらはいつものベンチに座った。
「コウタ、今からシャボンレターいっぱい送るね」
「うん」
すると、ミナミはストローをふーっと一気に吹き、小さなシャボン玉をたくさん宙に浮かべた。
ぼくは両手でシャボン玉たちをつつく。
『好き』『好き』『好き』『好き』『好き』『バカ』『好き』『好き』
ぼくも、ミナミに向けてひとつのシャボン玉をそっと吹いた。
ミナミがそれをつつく。
『好きの中に、バカも混ぜたろ』
次は、ミナミが吹いてぼくがつつく。
『バレた（笑）』

二人は、日が暮れるまでシャボン玉を吹き続けた。