神様の御利益

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「テスト前だから、あの神社寄って願掛けして行こう」
あいつに誘われて、ある神社へ向かった。

ここの神社は、昔関東で、ある武将が首を刎ねられた際にその首が京都まで飛ぶ途中で力尽きて落ちた場所にできたと言われている。首が挿げ替えられるということで頭が良くなるという御利益があるとされている。

「明日のテスト、うまくいきますように」
あいつは成績優秀で顔もハンサム、背も高い。その上、性格もいいなんて神様は不公平だ。僕は心の中で祈った。
「神様、あいつと入れ替わらせてください」

翌朝、僕は慌てて鏡を見た。鏡の中にはあいつの顔に替わっている僕がいた。
「本当に入れ替わったんだ」
驚き震える僕は足元の何かに躓いた。僕の足にあたった何かは、ゴロゴロと音を立てて転がり、僕と目が合った。
「僕の首…?何で?あいつと入れ替わったんじゃないのか?」
僕の首は何も言わずに虚ろな目で僕を見つめているだけだった。
ホラー
公開:20/09/28 17:39

川島 太一

2020年9月から書き始めています。
いつかの作家デビューを目指して、とにかくあらゆるジャンルのものを書いていきますので、お読みいただければ幸いです。

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