塗装工事
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最近、家の近くに工事の車や警備員がやって来て、夜な夜な鉄道高架線の塗装工事をするようになった。赤錆びた剥き出しの鉄骨は、クリーム色のペンキに塗り替えられていき、暗く沈んだ都市の陰だった場所は、ほんの数日で明るい広場の一角のように生まれ変わってしまった。
見慣れた風景がこんなにもあっさり変わってしまうことに私は当惑した。まるで時代の変化に私の身体だけついていくことができていないような気がしたのだ。
私は少し離れた歩道橋に登って、何か自分の中で輪郭のズレはじめた感覚を調整するように、しばらくこの高架線を高い所から眺めていた。やがて都会の人々を乗せた列車が高架線の上を忙しなく通過していった。その姿を見て、ふとズレていたものが戻ってきた。やはりここが私の住む街なのだ。
私も止まってはいけない。みんな走り続けているのだ。そう思った。
見慣れた風景がこんなにもあっさり変わってしまうことに私は当惑した。まるで時代の変化に私の身体だけついていくことができていないような気がしたのだ。
私は少し離れた歩道橋に登って、何か自分の中で輪郭のズレはじめた感覚を調整するように、しばらくこの高架線を高い所から眺めていた。やがて都会の人々を乗せた列車が高架線の上を忙しなく通過していった。その姿を見て、ふとズレていたものが戻ってきた。やはりここが私の住む街なのだ。
私も止まってはいけない。みんな走り続けているのだ。そう思った。
その他
公開:20/09/29 13:28
更新:20/09/29 17:02
更新:20/09/29 17:02
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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