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それは、まだ幹も乾かぬ雨上がりの雰囲気に公園全体が包まれていた昼下がりのことです。
わたしは、時折降り注ぐ雨滴に驚きながら、きれいな落ち葉を探していました。
と、足元の落ち葉のカサリという音に「もう一回。もう一回」という小さな声が繰り返されているのが聞こえました。
その声は、わたしが手にしている葉っぱからも聞こえています。雨滴がふるふると光る葉っぱの先端。声はそこから聞こえくるようでした。
葉っぱの雨滴を日に透かして見ると、その中に、手も足もない透き通った微生物のようなものが、ぎっしりと詰まっているのが見えました。わたしは思わず葉を取り落としました。地面で雨滴が弾けたとき「もう一回。もう一回」の声が響きました。
その透明な生き物たちは、幹を這い登っては落葉にのって落下する遊びをしているのでしょう。
「もう一回。もう一回」
わたしも、そう呟きつぶやきながら公園を後にしたのです。
わたしは、時折降り注ぐ雨滴に驚きながら、きれいな落ち葉を探していました。
と、足元の落ち葉のカサリという音に「もう一回。もう一回」という小さな声が繰り返されているのが聞こえました。
その声は、わたしが手にしている葉っぱからも聞こえています。雨滴がふるふると光る葉っぱの先端。声はそこから聞こえくるようでした。
葉っぱの雨滴を日に透かして見ると、その中に、手も足もない透き通った微生物のようなものが、ぎっしりと詰まっているのが見えました。わたしは思わず葉を取り落としました。地面で雨滴が弾けたとき「もう一回。もう一回」の声が響きました。
その透明な生き物たちは、幹を這い登っては落葉にのって落下する遊びをしているのでしょう。
「もう一回。もう一回」
わたしも、そう呟きつぶやきながら公園を後にしたのです。
ファンタジー
公開:20/09/29 09:50
宇祖田都子の話
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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