恋を失う

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頬がやけにヒリヒリすると思ったら、冷気にさらされていた

鼻がツンとすると思ったら、いつの間にか気温が下がっていた

キラキラ光るあの灯りは星かなと思ったら、イルミネーションだった

どこか寒いなと思ったら、1人だった

この景色を知っていると思ったら、前に彼と歩いた道だった

それなのに色が違って見えるのは、きっとイルミネーションのカラーを誰かが変えたせいだ

どこか寒いのは、きっとカイロを忘れたせいだ

キラキラ光る灯りが星に見えたのは、きっといろんなものを見すぎて目が霞んだせいだ

鼻がツンとするのは、きっと冷気を吸い込みすぎたせいだ

頬がやけにヒリヒリするのは、きっと心を落ち着かせようとしているせいだ

全部全部、余計なお世話

全部全部、捨ててしまいたい

だけど全部全部、大事な思い出

だから、本当は悔しいけど
最後の最後に

「ありがとう」

白い息は 空を舞って儚く消えた
恋愛
公開:20/09/28 23:47

紀奈子

ふと感じたこと、昔の思い出などを元に、日常のちょっとした事などを書いたりします。
拙い文章ではありますが、もし1人でも共感してくださる方がおられたら嬉しいです。
完全に自己満足の趣味なので、色々大目に見てやってください。
それにしてもアレですね、400文字に収めるって結構至難の業ですね。

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