魔法少女

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「大人になったら魔法使いになるの。」と意気込む姪っ子。
最近はよく実家に帰るのだが、玄関で姪っ子が待ち構えている。
そよ風も起こせない軽いプラスチックのステッキを私に振りかざす。
見えない魔法で私は後ろに転ぶことにしている。
ちゃんと転ばないと姪っ子が怒るからだ。

帰り際、「指切りしよう、また来てね。」
そういって姪っ子は私に笑顔を向けてくる。
「また来るよー。」
指切りした後、自分の家に帰る。

おかしい、最近よく実家に帰りたくなる。
心当たりはある。姪っ子との指切りだ。
指切りは魔法のように、私に約束を守らせようと、実家に帰らせようとするのだ。

結局、今週も実家に帰った。父母、妹、姪っ子が迎えてくれる。
そして、いつも通り姪っ子に魔法で倒される。
「大人になったら魔法使いになるの。」と姪っ子は宣言する。
君ならなれるよ、と姪っ子に返事をした。
ファンタジー
公開:20/12/02 01:09
更新:20/12/02 07:26

こめだわら( 東京都 )

20代後半、奈良県出身。
文章構成等々のご指摘をいただけますと幸いです。
400字を超える小説はnoteに書こうと思います。
https://note.com/rrr040339

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