高貴心は猫を生かす

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私は美しい。

部屋の中にいる鏡を見て何度も自分に見惚れる。

しかし私はペット。

お金を持っていないので

ご主人のように美しい服を着ることができない。

普段の生活で贅沢な気分を味わえることは

ない。

たまにご主人は私にプレゼントをくれることも

ある。昨日は綺麗な石のついたチョーカー

をもらった。

中央にある紫色の石がキラッとしていて、

これをつけているとまるで貴族になった気分

になる。

鏡の前で私は頷く。

「これで私は貴族のお嬢様だわ」

「ニャ―」

私は振り向いた。

そこには髭をはやしたご主人がいた。

大きな丸い目で私を見ている。

上に伸びた耳がひくひく動く。

最初彼女と会ったとき、猫にしては巨大

な大きさに驚いたが、今は慣れた。

ご主人は私を見て嬉しそうな顔をした。

彼女は人間である私におしゃれさせる

ことが趣味だ。
その他
公開:20/12/01 21:07

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