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荘厳な空気を感じ目を覚ました。
目の前には糞掃衣を纏った坊主頭の老人が立ち、私を見下ろしている。
「ぎゃああッッ!」
私は逆四つん這いになって後ろ向きに引き下がり押入れの戸に強く頭をぶつけた。
男は頬をぽりぽり掻きながら、憂鬱そうな目でこちらを見ている。
「どこから……、け、けいさつ呼びますよ」
「お前の内から」と彼は口を動かさずに言った。「久々に現れてみれば、随分な応対だな」
ズキリ、と頭が痛んだ。視界が大きく歪んで、不意に記憶が覚醒する。
「…………失礼しました」
窓から二人で明らむ街の景色を眺める。
「娑婆世界の色に染まりおって」
「申し訳ありません……」
「まもなく時は満ちる。三界は黄昏に沈み、盲目の民は闇夜に溶けゆく」
私は彼を見上げた。
「もう一度、機会を与えてはもらえませんか」
幾度、と彼は苦笑した。
「私が残ります。彼らとともに」
昼時、創造主の姿は永遠に消えていた。
目の前には糞掃衣を纏った坊主頭の老人が立ち、私を見下ろしている。
「ぎゃああッッ!」
私は逆四つん這いになって後ろ向きに引き下がり押入れの戸に強く頭をぶつけた。
男は頬をぽりぽり掻きながら、憂鬱そうな目でこちらを見ている。
「どこから……、け、けいさつ呼びますよ」
「お前の内から」と彼は口を動かさずに言った。「久々に現れてみれば、随分な応対だな」
ズキリ、と頭が痛んだ。視界が大きく歪んで、不意に記憶が覚醒する。
「…………失礼しました」
窓から二人で明らむ街の景色を眺める。
「娑婆世界の色に染まりおって」
「申し訳ありません……」
「まもなく時は満ちる。三界は黄昏に沈み、盲目の民は闇夜に溶けゆく」
私は彼を見上げた。
「もう一度、機会を与えてはもらえませんか」
幾度、と彼は苦笑した。
「私が残ります。彼らとともに」
昼時、創造主の姿は永遠に消えていた。
その他
公開:20/12/03 07:00
更新:20/12/02 22:24
更新:20/12/02 22:24
さまようアラフォー主夫
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