夕暮れ自動販売機

夕暮れ自動販売機に母が走る。
夕食の準備中、調味料を切らせていた事を思い出した。
夕暮れ自動販売機は夕暮れ時に必要になるであろうものを売っている。住宅地を中心に設置されている。
テストで赤点を取ってしまった子供が夕暮れ自動販売機で花を買う。少しでも母の機嫌を良くしようという魂胆だ。
先程も言ったが夕暮れ自動販売機は夕暮れに必要になるであろうものを売っている。これは擂りゴマの一種である。
朝、夫婦喧嘩をしてしまいバツの悪い父は夕暮れ自動販売機で言葉を買う。
売り言葉に買い言葉。何も朝の喧嘩の続きをしようと言うわけではない。
父が買ったのはかけ言葉。母に一言謝る勇気である。
何度も言うが夕暮れ自動販売機は夕暮れに必要になるであろうものを売っている。これは酢の一種である。
背中を押すお酢はガチガチの頭に柔軟さをもたらす。
夕暮れ時、家に帰り辛いな…と言う方、ぜひ夕暮れ自動販売機をご利用ください。