50年の発見
0
2
「あの人、梅干しが嫌いだから、蜜柑にしましょう」
女2人の日帰りバスツアー。和歌山でお土産を選んでいると、利枝が言った。
息子の嫁は利枝と仲がいいので、並んで買い物をする。
「お義母さんはお義父さんのことならなんでも知ってるのね」
利枝は自慢げに返した。
「そうね。無口な人だけどね。一緒になって、もう50年ですからね。なんでも知ってなくちゃ」
まるで、これが夫婦円満の秘訣よ、とでも言うように。
家に帰ると、お土産の蜜柑を健三に渡した。
健三は蜜柑を喜んで食べていたが、夕飯になってポロリと言う。
「梅干しは買ってこなかったのか?」
利枝は驚いた。
「あなた、嫌いじゃなかったの?」
「普通のは塩分を気にして食べないだけだ。紀州のは好きなんだよ」
利枝は少しだけ恥ずかしくなった。
「あなた、もっと話してくれないとダメよ」
2人は呆れたように笑った。
女2人の日帰りバスツアー。和歌山でお土産を選んでいると、利枝が言った。
息子の嫁は利枝と仲がいいので、並んで買い物をする。
「お義母さんはお義父さんのことならなんでも知ってるのね」
利枝は自慢げに返した。
「そうね。無口な人だけどね。一緒になって、もう50年ですからね。なんでも知ってなくちゃ」
まるで、これが夫婦円満の秘訣よ、とでも言うように。
家に帰ると、お土産の蜜柑を健三に渡した。
健三は蜜柑を喜んで食べていたが、夕飯になってポロリと言う。
「梅干しは買ってこなかったのか?」
利枝は驚いた。
「あなた、嫌いじゃなかったの?」
「普通のは塩分を気にして食べないだけだ。紀州のは好きなんだよ」
利枝は少しだけ恥ずかしくなった。
「あなた、もっと話してくれないとダメよ」
2人は呆れたように笑った。
その他
公開:20/11/30 12:26
はじめまして。プロフィールを見てくれてありがとうございます。とっても嬉しいです。
ジャンルは濃い恋愛以外はなんでも書きます。
ショートショートも大好きです。やはり源流は星新一先生ですね。
カクヨムでハイジの続きとか小説書いてます。こちらもよろしくお願いします。
@hukudahappy
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます