マスク警察と紳士

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一人の紳士が道を歩いていると、気の強そうな男が声を掛けてきた。
「ちょっとあんた、なんでマスクつけてないのー?」
紳士は足を止めると不機嫌そうに男を見た。
「な、なんだよ。黙ってないで何か言えよ」
紳士はゆっくりと足を男のほうに向けると、ジャケットを脱いでバサッと放り棄てた。
「お、おう!や、やるのか?」
紳士は腕まくりをして男に近づいてくる。
「いい度胸じゃねえか!やんのか?おう?」
両者はおでこがくっつくほどの距離になり、熱くメンチを切った。
「自慢じゃねえがな、俺は空手と柔道を…」
「声が小さああああい!!!」
ドン!
男の体は紳士の声の音圧で宙に浮き上がると、激しいきりもみ回転をしながら吹き飛んだ。そして窓ガラスを突き破って、コンビニの中へ入り、派手な音を立てて商品棚を次々と薙ぎ倒した。
失神——。
紳士はコンビニの中へ悠然と入ってきてレジの店員に言った。
「あ、マスクください」
その他
公開:20/11/30 08:12
更新:20/11/30 08:18
例の紳士 マスク警察

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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