チョコレートのサンタクロース

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子供のころ、公園でトリやネコに餌をあげているおじさんがいました。
「何をあげているの?」
幼い私はある日おじさんに聞きました。
「チョコレートだよ。」
「どうして?」
「チョコレートは美味しいだろう?でもトリさんやネコさんは僕たちみたいにお金を持って買い物ができないから、チョコレートが食べられないんだ。だからおじさんがプレゼントしているんだよ。」
「プレゼントなんて素敵。まるでサンタさんね。」
私がそういうとおじさんはニッコリ笑って、掌のチョコレートを鳩に与えて続けました。
でも少し大きくなって私は気がついたのです。
「犯罪じゃない?」
おじさんは何も言いませんでした。
それからおじさんを見ることはなくなりました。
その年、両親は私にサンタさんがもう来ないことを告げました。私が大きくなってしまったからだそうです。
もしかしたら、あのおじさんは本当にサンタクロースだったのかもしれません。
その他
公開:20/11/30 23:34

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