双子の姉妹・続

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 駅の裏のネットカフェ。すでに彼は部屋にいた。個室で鍵付き。人目を避けて、私と彼はここで逢瀬を重ねてきた。
 今日の夕方、急にLINEで呼び出された。
 「彼女に鎌をかけられ、浮気がばれた」。彼が両手で顔を覆う。いつかそうなるだろうと予想はしていた。
 彼女は私の妹で、瓜二つの双生児。一年前から彼とつきあい、半年前、私が密かに割り込んだ。
 「謝れば許してくれるよ」。心にもないことを口にして、彼をぎゅっと抱き締める。そこで唇を塞がれて、慣れた手つきで制服のリボンを外された。
 「どうしよう」。うわごとのように繰り返しながら、私の衣服を剝いでいく。妹にはない左胸の小さなホクロ。熱い舌を這わされて、私は思わず吐息を漏らした。
 私はクズだがこいつもクズだ。改めてそう感じ、背徳めいた笑みがこぼれる。
 その時、妹とのホクロ以外の相違に気づく。
 潔癖なあの子と違い、私はクズを嫌いになれない。
 
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公開:20/11/29 11:49
更新:20/12/18 19:59

掌編小説( 首都圏 )

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フォロワーさんに「ショートショートガーデン」を教えていただきました。どうぞよろしくお願いします。
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イラストはミカスケさん(https://twitter.com/oekakimikasuke)やノーコピーライトガールさん(https://twitter.com/nocopyrightgirl)の作品です。写真はフリー素材を利用させていただいています。

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