神様

24
11

僕は、狭い部屋で縮こまって震えていた。
いや、狭くなってしまった、が正しい。
ー僕は一体どうすれば良いんだ?
ー誰か僕の代わりになっておくれよ
ー助けて!もう嫌だ!

気持ちが声としてとびだした。

「もうミカンなんてうんざりなんだよぉ!」

ミカンが、これでもか!と詰まった段ボールが、ただでさえ狭い部屋を、もっと狭くしている。
父方のじいちゃんから、母方のじいちゃんから、じいちゃんの従兄弟のおじちゃんから、叔母のお兄さんから……

ありがたいんよ?ありがたいんだけれど、この量は…
きっと段ボールの底の方のミカンは、もうだめになっているだろう。
片づける気力すら、もう、無い。
霞んできた僕の目に、神様が見えた。
『私を使いなさい』
「ありがとう…」
僕はそれを掴む。

果物搾り機

ダンボールいっぱいにあったミカンは、あれよあれよという間にジュースになっていった。

「神様、ありがとう!」
その他
公開:20/11/29 09:22
更新:20/11/29 09:22

かさ( 愛媛 )

来年以降のいきかたが決まりましたヽ(=´▽`=)ノ

コメント読んだりお返事したりするのはとても好きなので、気楽にコメントいただけると嬉しいです。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容