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ずっと、ここに居たい。
何も考えたくないし、動きたくない。
乾いた糊が張り付いたような意識は開くことを拒み続けている。
永遠を要求する。
至急だ。
ほんの少し、世界の正体を探ろうと身を乗り出した途端、あらゆる気力を奪う冷気が精神を曇らせ、勇気を挫く。
ここではどんなささやかな罪のない希望さえも許容されることはない。
繰り返される悲劇。私たちは逃れる術を持たない。ここに存在し続ける限り。
宿命ーー。
神の残酷に、時の非情に、心は突き刺され、砕かれる。
針の音の合間に、その声の途切れに、迷いと憂いが交差する。ほんのわずかな願いさえも、形を描くことはできない。
圧倒的な絶望。この星が巡る軌道が、この土地が配された緯度が、我々がここに根付き、育んできた営みが、規定する。
「あしゃごはんたべゆー!!」
初冬の朝。
息子よ、あと五分、いや、十分……。
我らに微睡を、お布団を。
何も考えたくないし、動きたくない。
乾いた糊が張り付いたような意識は開くことを拒み続けている。
永遠を要求する。
至急だ。
ほんの少し、世界の正体を探ろうと身を乗り出した途端、あらゆる気力を奪う冷気が精神を曇らせ、勇気を挫く。
ここではどんなささやかな罪のない希望さえも許容されることはない。
繰り返される悲劇。私たちは逃れる術を持たない。ここに存在し続ける限り。
宿命ーー。
神の残酷に、時の非情に、心は突き刺され、砕かれる。
針の音の合間に、その声の途切れに、迷いと憂いが交差する。ほんのわずかな願いさえも、形を描くことはできない。
圧倒的な絶望。この星が巡る軌道が、この土地が配された緯度が、我々がここに根付き、育んできた営みが、規定する。
「あしゃごはんたべゆー!!」
初冬の朝。
息子よ、あと五分、いや、十分……。
我らに微睡を、お布団を。
その他
公開:20/11/29 07:00
更新:20/11/29 06:53
更新:20/11/29 06:53
さまようアラフォー主夫
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