空飛ぶサンタ

サンタ本部は従来の運用ではサンタの従事者が足らず、何とか多くの世界の子供達に喜んでもらおうと、
新基軸を打ち出した。
トナカイの減少や山道の走行にも無理があり、サンタ自体が単独で空を飛びながらプレゼントを配布するシステムだ。
最近は煙突の在るような暖炉付き家庭も少なくなり時間もかかる。それで各戸の窓から虫取り網を出しておいてもらえれば、そこに空中からプレゼントを落下させ敏速に配布する事が出来る。
その為に子供の居る家庭には、公的機関より無償で虫取り網が事前に配られた。
当日になり予想外の事態が発生し、プレゼントの数が足りなくなった。

不当な手続きによって配られた網や、偽物の網がアチコチの窓に立ってしまったのだ。
更に子供達はあのトナカイそりに乗った、真っ赤なサンタさんに憧れていたのに、それを近くで見れないなんて、プレゼントだけが落ちて来るだけではつまらない。子供を舐めるなよと怒った！