雲ヒツジ(つづき)

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私たち家族はセーターを着て牧場を飛びたった。雲ヒツジの毛100%のセーターは、着ると身体が軽くなり空中遊泳を楽しめるのだ。風が肌に心地よい。下には青い空と雲、後ろには「メェェ」とついてくる雲ヒツジ達。
「ん?他の家族もいたかな?」前方を泳ぐお父さんの先に小さな白い塊と手足のようなものが見える。近づくにつれ、それは雲ヒツジセーターを着て空を引きずられている女性の白いハイヒールだと分かった。手に握られた紐の先で、ぴょんぴょんと何かが飛び跳ねている。
「モコちゃん、まってー!」
雲ベストを着た白い何かが振り向いた。ふわふわのおさげのある丸くふわふわの真っ白なお顔に、ちょんちょんちょんと三つ、黒い碁石みたいに目鼻がついていた。

後方から、猛然と何かが近づいてくる。
「奥様!大丈夫ですかー!!」
キャンキャンキャン!

もこもこの雲執事に駆け寄るモコちゃん(トイプードル)に引きずられる奥様。
公開:20/11/29 03:51
更新:20/11/29 06:25

マーモット( 長野県 )

初投稿は2020/8/17。
SSGで作品を読んだり書いたり読んでもらえたりするのは幸せです。趣味はほっつき歩き&走り(ながらの妄想)。
 

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