ＫＫＳＪ

日本政府は景気回復政策として日本語２．０計画を発表した。
目玉として新たに『ＫＫＳＪ』が制定された。
従来の回りくどい言い回しを辞め極限まで会話を簡略化させる事を目的とした
究極のビジネス特化日本語とした。
大手を皮切りに企業内の公用語とすることが新たなスタンダードとなった。
今後は義務教育の必須科目として採用される見通しだ。
割を食ったのは当然ながら現在働いている労働者達だ。
日本語と言いながら全く新しい言語を習得する義務が課せられた。
「はぁ。昼から会議か…」
「気が重いですね。ＫＫＳＪですよねもちろん」
「ああ。重役が参加するからな。こっそり日本語でとはいかんよ」
こんな会話が昼休みにかわされるようになった。

「これよりＫＫＳＪでお願いします」
「かくかくしかじかは？」
「えっとかくかくしかじかで…」
「いや、かくかくしかじかでしょう」
「あ、はぃ…」
会議はかくかくしかじかした。