我が遺灰はコネである

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祖父の葬儀には親戚じゅうが集まったが、私の知った顔は一つもなかった。

親戚同士もそれは同じらしく、よそよそしい態度は始終抜けることがなかった。

その後しばらくして、今では祖母だけが住む家を訪ねた。仏壇には祖父の骨壷があった。

線香をあげ、リンを鳴らし、目をつむり、顔を上げると、妙なものが目に入った。

骨壷の蓋がずれ、中から節くれだった枝が飛び出していたのだ。

祖父の家に行くたび、枝は成長していき、とうとう仏壇に収まりきらなくなったので、祖母は骨壷を庭に置いた。

冬が来ても枝は伸び続け、つぼみらしきものまで見られるようになった。

やがて、それはそれは見事な、庭を覆い屋根に届くほど枝を伸ばした桜が現れた。春になるたび花は咲いた。

そういうわけだから、毎年親戚じゅうが花見をしに集まった。
ファンタジー
公開:20/11/28 08:14
更新:20/11/28 08:19

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