額縁

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美術館や博物館、画廊で重宝されている額縁がある。
木の霊が宿った木材を加工して作られた額縁だ。
額縁に絵画を入れると、その作品を描いた人物の生い立ちや作品のエピソードが、木霊のように聞こえてくる。
聞いた者は最初、気のせいかと思うのだが、確かに額縁が話している。だから木のせいだと気づく。
今ここに一枚の絵がある。
額縁に入れてみると、懐かしい思い出を額縁が語り始めた。
そう、これは俺が幼い子供のころに描いた家族の似顔絵だ。
青春
公開:20/11/28 07:10
更新:20/11/28 09:17
美術館 博物館 画廊 額縁 木材 絵画 作品 木霊

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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