夕暮れ自動販売機

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家の蔵を掃除しているとお札の張られた自動販売機を見つけた。
何これ?何気なしにお札を剥がすと自動販売機に明かりが灯った。気付けば、私は吸い寄せられるようにボタンを押していた。
受け口に落ちて来た缶を取ると恐る恐る開けてみる。
缶の中から煙と共におどろおどろしい妖怪が現れた。
『やっと外に出られたぜ!』
妖怪はそのまま外に飛び出そうとして…まるで見えないゴム糸に引っ張られるかのように缶の中に戻された。
私は急いで蓋を閉めると祖父のもとへと走った。

「それは夕暮れ自動販売機じゃな。ご先祖様が中に妖怪を閉じ込めておるんじゃ。ほら、夕暮れは別名・逢魔時とも言うじゃろ?ご先祖様は誰ぞ彼な妖怪を使役する陰陽師だったんじゃ」
もしかしてそれって、私にも陰陽師の才能があるってこと?
「ああ、缶なら使ってもいいぞ」
ペットボトルは?
「やめとけ。妖怪なんてペットにしたら飼い犬に手を噛まれる程度じゃ済まん」
ファンタジー
公開:20/11/28 19:04

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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