人魚姫

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昔、人間の男に恋をした人魚の娘がいました。どうしても彼を忘れられない人魚の娘は深海に住む魔女に、自分を人間にしてくれと頼みます。
「ああ、いいよ。望み通り人間にしてあげよう。その代わり、お前のその美しい声をもらうからね」
「は?やだし」
「は?」
「声なんかあげちゃったら意思疎通できないじゃん。おばさん知ってる?好きって気持ちは言葉で伝えるのが一番なの。私は彼に会って、彼と恋人になって、結婚だってしたいわけ。でも声が無かったら、たとえうまくいったとしても何も伝えられないし、そんなんじゃすぐ破局するじゃん」
娘の怒涛の反論に魔女もたじたじです。
「あ、うん、わかった。じゃあ声は要らない。その代わり、その男が他の女と結婚したらお前は泡に」
「は!?たった一度の恋で命賭けろとかどんだけ鬼畜!?もーいい!!」
そのまま娘は怒って帰ってしまいました。

「ありゃあ上手く行っても長くは続かんね...」
ファンタジー
公開:20/11/28 11:36

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