史跡伝承調査官
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リディフィナの地には、多くの史跡や伝承が、戦争の災禍に見舞われながらもいまだに多く遺っているとされている。
戦後、このリディフィナを構成する諸国の歴史家が集まって、リディフィナ史跡伝承保存協会という団体が立ち上げられた。
この団体は、若手の研究者を史跡伝承調査官として雇い、各地に派遣しては史跡や伝承の調査に当たらせている。
この試みは二年前から行われているのだが、私は発足当初から志願し、調査官として働いている。
別に、この仕事がしたかったわけではない。ただ、調査官になれば、少なくとも今、自分が住んでいる場所からは遠く離れられる、そう思って志願したのだ。
この予想は見事に的中し、私は史跡伝承調査官となってからは、一度も、それまで暮らしていたミルズの街には戻っていない。
それだけが、今は救いだ。
戦後、このリディフィナを構成する諸国の歴史家が集まって、リディフィナ史跡伝承保存協会という団体が立ち上げられた。
この団体は、若手の研究者を史跡伝承調査官として雇い、各地に派遣しては史跡や伝承の調査に当たらせている。
この試みは二年前から行われているのだが、私は発足当初から志願し、調査官として働いている。
別に、この仕事がしたかったわけではない。ただ、調査官になれば、少なくとも今、自分が住んでいる場所からは遠く離れられる、そう思って志願したのだ。
この予想は見事に的中し、私は史跡伝承調査官となってからは、一度も、それまで暮らしていたミルズの街には戻っていない。
それだけが、今は救いだ。
ファンタジー
公開:20/11/28 08:43
ハイファンタジー
『リディフィナ物語』
幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。
アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。
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