単位の福袋

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 冬休みを終えて大学に行くと、生協で単位の福袋が売られていた。
「一袋一〇万円で一〇単位入ってます!」
 威勢のいい呼び込みに、思わず俺はATMに駆け込んだ。昨年度、淀の競馬場で儲けた金が五〇万円分あったので、それを全て引き出すと、単位の福袋を五袋購入した。
「へへへ、これで来年は楽に卒業できるぞ!」
 俺は溢れる笑みを抑えきれずにそう呟くと、外に出て中を確かめてみた。
 ところが、どの袋にも履修済みの宗教学、法学、東洋史概論、美術史概論の単位しか入っていなかった。五袋全部そうだ。
「クソッ、全部すっちまったじゃねえかよ!」
 俺は新年初絶叫を響かせながら、単位の入った福袋を地面に叩きつけた。
 すると、福袋の中から金や銀、朱といった色とりどりの単位たちが飛び出して、キラキラと輝きながら地面を極彩色に飾り立てたのだった。
ファンタジー
公開:20/11/26 07:54
マジックリアリズム 『幻想日和』

海棠咲

 幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
 架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
 そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。

 アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。

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