川姫の悪夢
0
2
こんな夢を見た。
水底で目が覚めると、上の方が妙に明るい。
よくよく耳をそばだてれば、こんな夜中だというのに、川魚たちが慌てたようすで泳ぎ回る音が聞こえる。
私は何だか妙な胸騒ぎを覚えて、水色の振袖をなびかせながら、水面へと顔を出した。
途端に私の目に飛び込んで来たのは、さざめきの森が紅蓮の炎に包まれている姿だった。
炎は凄まじい雄叫びを上げて、実に楽し気に、あの物静かな森を蹂躙していた。
止めよ! 誰の許可を得て斯様な狼藉をなすのか! 炎よ鎮まれ! さざめきの森を流れる永麗川の川姫が申しておるのだぞ!
そこまで炎に向かって叫ぶと、私はハッと目が覚めた。上を見れば、白い月の光が水面を照らすばかりで、炎の姿はどこにもない。
私はそこでホウッと安堵の溜息を吐いたが、胸の奥からどす黒い不安が滲み出て来るのを抑えることがどうしてもできないのだった。
水底で目が覚めると、上の方が妙に明るい。
よくよく耳をそばだてれば、こんな夜中だというのに、川魚たちが慌てたようすで泳ぎ回る音が聞こえる。
私は何だか妙な胸騒ぎを覚えて、水色の振袖をなびかせながら、水面へと顔を出した。
途端に私の目に飛び込んで来たのは、さざめきの森が紅蓮の炎に包まれている姿だった。
炎は凄まじい雄叫びを上げて、実に楽し気に、あの物静かな森を蹂躙していた。
止めよ! 誰の許可を得て斯様な狼藉をなすのか! 炎よ鎮まれ! さざめきの森を流れる永麗川の川姫が申しておるのだぞ!
そこまで炎に向かって叫ぶと、私はハッと目が覚めた。上を見れば、白い月の光が水面を照らすばかりで、炎の姿はどこにもない。
私はそこでホウッと安堵の溜息を吐いたが、胸の奥からどす黒い不安が滲み出て来るのを抑えることがどうしてもできないのだった。
ファンタジー
公開:20/11/26 23:05
和風ファンタジー
『和幻之郷』
幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。
アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます