302. 夕焼けの自販機

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残業した帰り道、おでんの自販機があることに気がついた。
(おでんかぁ。食べたいけど…)
そんなことを考えていると『夕焼けおでんあります』という文句が目に入った。近寄ってよく見てみると、綺麗な夕陽と、大根などのおでんが一緒に写った写真のステッカーが貼られていてとても惹かれた。
(でもこれ、本当に美味しいのかな?)
その時自販機のオーナーだという人が現れた。
「お客さん初めて?毎日夕焼けをたっぷりあてて出汁を取ってるんだよ!」
そう言うと、自販機から一本取り出し開封して中身を見せてくれた。それは金色がかった見事な夕陽の色をしていた。
「これは昨日の。天気が凄く良かったからね」得意気にそう言うと「特別だよ!」と牛スジを一本味見させてくれた。齧ると感動と共に何だか元気が漲ってきた。
「夕焼けは癒しと疲労回復の効果があるからね」
俺は礼を言いまとめ買いをすると、ビールを買いにコンビニへと急いだ。
ファンタジー
公開:20/11/25 15:00
更新:20/11/25 18:34
月の音色 271.夕焼けおでんをリライト

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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